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■ 『命』の話をしてきました
◆ 難しい役割です
 杉並第三小学校の副校長、金子先生とは10年来の知り合いです。先生は学校図書館の活動にご熱心で、昨年は井荻小学校での読書会講演にもお招きをいただきました。その金子先生から
「命の話をしてください」
という内容の連絡があったのです。さあ、困りました。
 杉並第三小学校には『命の記念日』という約束があります。それはひとりの生徒さんを追悼する大切な日である、ということでした。そして、このボクがその日、低学年と高学年の皆さんにそれぞれ、『命』の話をしなければならなくなったのでした。

◆ 命は大切
 誰にとっても、ひとつしかない命。だから、命を大切にしましょう、ということは至極当たり前の話題です。けれども、そのとっても当たり前、がいちばん難しいのです。
 戦争をしてはいけません。人を殺してはなりません。そんなこと、誰にとっても真実です。誰だって思っています。けれど、いつになったら戦争はなくなるのでしょう。命は奪われなくなるのでしょう。

◆ 毎晩、命のことを考えました
 数週間、毎晩のように、少し書いては考えて、ちょっと書いては居眠りをしながら、どんなお話にしようかと悩み考えました。どうすれば、この思いを伝えられるかと工夫しました。そして、なんとか講演原稿らしきものを書きあげたのです。でも、あんまり自信はありません。
 ボクもここまで生きてきて、交通事故、水難事故、病気と何度も死にそうになりましたし、命のありがたさも感じてきました。命の不思議にも圧倒されてきました。そして今、こうして生きていられることを奇跡と感謝していますし、また信じられない気持ちでもいます。けれども、自分の経験談ばかりではなく、普遍的な課題として、真正面から『命』に取り組むことも大切だと考えます。今回のボクの役割は、その困難なテーマを正面突破することにあったのです。

◆ 小さい人たちとの真剣勝負
 とはいえ、つい数ヶ月前までは幼稚園に通っていた小さな人たちに、生命科学や生命倫理をいかに説いたらよいのでしょう。でも、ボクも童話作家のはしくれ。その難解な話題を面白く語るテクニックくらいはあると自惚れたい。でなければ、こんな大変な役割は、最初からお断りしているのです。

◆ 真剣勝負
 一生懸命に話しました。そして、真剣に聴いてもらいました。こんなに気持ちよくお話できたのは、みんな生徒たちのおかげです。最初から、耳を傾けよう、とみんなが思ってくれているのです。ボクから発する言葉やメッセージを、スポンジのように吸収してくれるのです。
 低学年と高学年に分けての2時限、それぞれの空気と感動がありました。結局、ボクがどんな原稿を準備できたか、というその内容よりも、誰が耳を傾けてくれるのか、というハートのキャッチボールが大切なのです。
 梅雨がこない前の、気持ちのよい風のふくとある初夏の日、杉並第三小学校の小さな人たちのウェルカムに元気づけられました、というレポートでした。 07/06/2007

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