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■ 龍平君 当選おめでとう

◆ そして、68万3千629の人たち、ありがとうございます。
 いや、正確にいうと68万3千628の人たち、ありがとうございました。だって、1票はボクのであるからです。あはは。
 川田龍平。力強く慎重に、そして少し緊張して書きました。今回の投票は点字ではなく、鉛筆による墨字投票を選んだからです。

◆ 何度も練習したんです
 投票所にいく前、我が家の机で、何度も何度も練習しました。川田龍平、川田龍平。力をこめて鉛筆で書きました。川田龍平、川田龍平。特にこの『龍』の文字が難しい。なんとなくではありましたが、文字の形は覚えてはいます。けれども、あまり書いた記憶がありません。だから自信もありません。そこで紙に書いて、コボちゃんに聞いてみます。
「ねえ、これでいいんだっけ」
「あっ、すごい。ちゃんと書けてるよ」
「やっぱり絵かきなんだよね、ボク。形で覚えているんだから」
 とにかく間違えずに書けるんだ。ボクは安心して投票所に向かいました。
 1票でも多く。そう願う候補者は名前を平仮名にしたり、簡単にしたりと、あれこれ安易な工夫をするものです。けれども龍平君は違いました。川田龍平。ポスターにはこの四文字が堂々と輝いていたのです。

◆ しっかりと書かれていた四つの文字
 鉛筆を握る手に力をこめて…。いや、あんまり力をこめると、ペキッと芯が折れてしまいます。前回の選挙でも、ボクは鉛筆を2本ダメにしてしまったのです。もちろん、また削ればいいだけの話なんですけども、ボクが削るわけでもありませんから。あはは。
 川田龍平。しっかりと書きました。一文字一文字、心をこめて書きました。当選してくれと祈りをこめて書きました。
 これは後日、龍平選挙事務所から聞いた話ですが、開票に立ち会った方は、川田龍平と書かれた文字は他の候補者の文字よりしっかりと書かれていた、と証言なさっていたそうです。それだけ皆さんの願いや祈りが強かったのでしょう。もちろんボクもしっかり書きました。
「あたしだって、力いっぱい書いたんだから」
 と、コボちゃんも口をとがらせました。

◆ 速報とはいえ、早過ぎます
 7月29日は夜8時。ボクは絵をかく手を止めてラジオをオンにします。NHK。すると驚きです。
「ええっ。もう結果が出ちゃうの」
 NHKアナウンサーによれば、自民党の惨敗。民主党は参議院の第一党に躍進。でも、投票を締め切ったばっかじゃん。まだ開票も始まってないんでないの。どうなってんの、これ。ああ、そうか。出口調査ってやつだね。さすがNHK。厚みが違うんだ、と感心してる場合でもないかもね。
 試しにTBSラジオにステイチューン。そしたら意外にも慎重。自民党不利は伝えているものの、NHKほどエキセントリックには語ってない。これは調査力の違いなのか、それとも姿勢の違いなのか。いや、単なる予算の問題かもね。まあ、NHKとTBSをいったりきたりすればいいわけで、ボクは真ん中を取るのです。どちらにも義理はあるし。あはは。

◆ ついに出ました、当確の文字
 とうとうNHKが川田龍平の当確を伝えました。第三位とあります。拍手。ボクとコボちゃんは万歳の歓声と同時に両手をあげました。このとき、龍平選挙事務所でも歓喜と涙の嵐が起きたそうです。
 けれども本当でしょうか。以前から、ボクの耳には川田龍平当落線上にあり、が伝えられていました。それが得票率第三位とあるのです。にわかには信じられません。であるから直ちにTBSラジオにステイチューン。すると龍平当確どころか、川田龍平の四文字も出てはきません。まさかNHKの勇み足では。ボクの記憶によれば、以前当確を訂正された候補者もいたような気がします。そんな事態になれば、天国から地獄へ急降下。まさにきりもみ状態ではありませんか。冷蔵庫では、冷えたシャンパンがボクらを待っています。けれども、まだまだ祝杯の気分にはなれないのです。

◆ 電話ジャンジャン、メイルチカチカ
 突然電話が鳴り出しました。ジャンジャン、ジャンジャン、鳴ってます。最近ボクの電話は黙りがち。連絡のほとんどはメイルにしているからなのです。ところが次から次へと電話がかかります。もちろん、どれも「おめでとう」。NHKの川田龍平当確を祝う言葉の洪水でした。
 いつもは鳴らない電話でさえこうなのだから、メイルはどうなのだろう、と思っていたら、ボクのケータイが騒いでいます。まさか。ボクのケータイにメイルをくれる人なんて、年に10人もいないのに。と開いてみたら、やっぱり「当選おめでとう」の文字が踊っているではありませんか。コンピュータにもメイルがチカチカ。皆さん龍平君に投票してくれたのです。これだけの人たちが龍平君を選んでくれたのです。ボクは自らの全身を鳥肌になるがままにしていました。

◆ まさかまさかの清き1票
 某有名広告代理店の重役。某有名商社のベテラン社員。いつもだったら政権与党に投票するのに、龍平君を選んでくれた。まさかまさかの清き1票ばかりなのです。以前から応援してくれた方々はもちろん、ボクの想像をはるかに超越した様々で多様な方々が龍平君を選んでくれたのです。その思いは、弱者であるボクを通じて、少数派の代弁者、勇気の人、川田龍平君へのラヴコールであったに違いありません。

◆ 美酒に酔いました
 TBSラジオでも当確が伝えられて、ボクは隣人の別府さんを誘います。彼女は祖師ヶ谷大蔵の街頭演説にも、自転車で応援にかけつけてくれた古い友人です。ドンペリとはいかないけれども、モエ・シャン・ドン。まあ、ドンペリと思えなくはない。いや、なんだっていいのだ。シャンパンでなくとも、スパークリングワインでもいいのだ。こういうときの炭酸ガス入り白ワインほどうまいものはありません。
 シャンパンがなくなれば、ただのワイン、赤ワイン。赤ワインが馬鹿ワインになる頃には、グッドナイトでおやすみなさい。もう夜中の3時になっていました。

◆ おめでとう
 龍平君に初めて会ったのは今から7年前の7月。彼はまだ被選挙権を獲得してはいませんでした。その彼が25歳になったとき、ボクは彼の国会での活躍を祈るようになったのです。
 今年の1月11日、ボクは長野県の松本大学で龍平君の教室を手伝っていました。以前からの約束を果たしていたのです。そして翌日の1月12日の渋谷、東京。川田龍平君は31歳の誕生日に国会への決意表明をしたのでした。
 あれから半年。龍平君の歩みがどれだけ壮絶なものだったのか、それはボクの想像をはるかに超越するものでしょう。そして彼をサポートするボランティアスタッフの皆様の献身と努力。どんな組織や団体にもよらない独自の活動と理念がこの当選を実現させました。龍平君、おめでとうございます。そしてスタッフの皆様、お疲れ様でした。いよいよ、これからが龍平君の本番です。そして、応援する我々も、これからが本番と覚悟せねばなりません。龍平君とボクらの闘いは始まったばかりなのです。
 最後に68万3千629票のアクションに万歳。そして、68万3千629票は東京都民の祈りと願いであって、全国では、これを超越する無数の祈りや願いが川田龍平君を支えてくれていることを、ボクらは忘れてなりません。 05/08/2007


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