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■ 2007年も本を読めました

◆ エム ナマエは読書に時間がかかる
 そうなんです。エム ナマエは読書に時間がかかるのです。いただいた本、買った本、積んである本。どれもホコリが雪みたいに積もっていて、本たち、ゴメンと頭を下げます。だって、自分じゃ読めないんだもん。そこで活躍するのがコボちゃん。ボクの奥さんです。
 これまで、いろんな人に本を読んでもらってきました。作家、役者、友人、スタッフ。目を悪くしてからの24年間、ボクの読書はすべて朗読によるもの。それはラジオからのときもありますし、CDやテープのこともあります。けれどもやっぱり、いちばん贅沢なのが対面朗読。『三国志』も『ハリー・ポッター』もみんな対面朗読でした。
 さて、ここ数年間の対面朗読は家内のコボちゃんによるもの。彼女はいつも本を携えていて、病院の待合室や喫茶店で、小さな声で朗読してくれます。そしてボクは頭を傾けて、両耳アンテナをクリクリ回して聴くのです。ああ、ちなみにボクは耳を動かすことができるのです。

◆ 2007年の本
 2006年1月からの『シャングリラ』(池上英一)は1年以上かかりました。途中で『ハリー・ポッター』の6に浮気したり、一時的に作品から離れたりしたからです。でも、コボちゃんのキャラクターごとに変化させる声色や表現がおかしくて、ついつい夢中になり、わくわくして最後まで楽しみました。
 『鯨の王』という海洋冒険小説にも時間をかけました。東京女子医大、慶應義塾医学部付属病院、代々木山下医院と患者さんに人気のある病院での待ち時間も退屈ではありません。待ち時間が長ければ長いほど読書ができる。というか、我が家は仕事場なので、こういう特別な時間がないと読書がはかどらない。

◆ ところが
 ところが、そんな読書状況を打ち破り、我が家の食卓にしがみつき、コボちゃんとふたり、しゃかりきで読んだ本がありました。それが文春文庫『僕は、殺す』です。舞台はモナコ。地中海の香りプンプンの中でくりひろげられる追跡ドラマ。最近疎遠になっていたハードボイルドミステリーでしたから、その展開にひきずられてしまったのです。原作者もユニーク。放送や音楽、エンターテイメントで活躍していた人物が作家に転身。イタリアを代表する流行作家になったとか。それから翻訳がいい。ほとんど、この文体に魅了され、短期間で読破したといっても過言ではないのです。
   文春文庫
   ジョルジュ・ファレッティ:作 『僕は、殺す』
   中田文・村上圭輔:翻訳  上下巻 各\700

2007/12/30



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