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■ 果たして山は動いたのだろうか

◆ ヤマト民族はバブルがお好き
 郵政バブルで小泉チルドレンが出現したように、今度は年金騒ぎで新しい子どもたちが誕生したらしい。ネーミングとしては、年金チルドレン、もしくは駄目閣僚チルドレンなんてのはいかがであろう。彼らの母親が選挙民のバランス感覚であったなら、日本の未来に光はある。けれども付和雷同の申し子であるならば、民主党もバブル崩壊を覚悟せねばなるまい。新人議員が
「新幹線、ただで乗れるんだもん」
などという軽い発言などしようものなら、小泉チルドレン同様、マスコミから袋叩きにされること請け合い。参議院第一党になったからには、フンドシを引き締めてかからねば、またまた写真週刊誌の標的にされてしまうこと間違いない。

◆ 赤信号、みんなで渡してなるもんか
 ともあれ、自公与党の数の暴走にブレーキをかけられるようになったのはめでたい。多数の暴力。暴れん坊の民主主義。赤信号、みんなで渡ればコワクないの投票で巨大化した与党に冷や水をかけてあげられたのが今回の選挙で最大の成果だといえる。これで衆議院でいかなる強行採決がなされようと、良識の参議院で歯止めがかけられるというもの。デタラメな立法にハラハラしないですむようになったのは精神衛生上まことによろしい。
 けれども、我々はまともに反省しなければならぬ。郵政民営化のワンフレーズキャンペーンのトリックにはめられて、与党の好き勝手を現実化させたのは国民の責任である。けれども、たとえ政治家すべてがお手手つないで赤信号を渡ろうと、許されてならないものはならないのだ。少なくとも、この国を安易に戦争へ向けようとしている勢力には国民の『否』の意思を突きつけなければならなかった。そういう意味では、閣僚の自滅も、社保庁のテイタラクも、天から与えられたグッドタイミングといえるだろう。

◆ 日本は二大政党制国家となり得るか
 さて、この参院選の結果を二大政党制の黎明と喜んでよいものだろうか。残念ながら、ボクには若干の違和感がある。日本国民が真実のバランス感覚をマスターしたのであれば、今後の国政にも、公務員の振る舞いにも期待ができる。当たりか外れか、そのバロメーターは今後の選挙結果であることに間違いはない。

◆ 二院制は守られたか
 数の論理で個人の運命が決定される間は、民主主義の完成はあり得ない。少数派にスポットライトが照射されなければ、政治に価値はない。個人の権利や安全が守られない限り、国家に存在意義は認められない。
 この参院選でボクは願った。主流ではなく、多様な候補者に投票されることを。政党でなく、既成の組織や団体から独立した候補者が多数当選することを。
 参議院こそ政党の場でなく、個人の思いや祈りの舞台であってもらいたいのだ。多数派が主導権を握る戦場ではなく、多様な志や見識が論議を深めるステージであってもらいたいのだ。

◆ 果たして山は動いたのだろうか
 今回の参院選で、果たして、山は動いたのだろうか。これからの国会で、どんな議論が展開されるのだろうか。郵政バブルで誕生した巨大与党によって強行採決された法案に、いかなる修正が加えられるのだろうか。いずれにせよ、結果のすべては次の選挙で明らかにされる。 01/08/2007 エム ナマエ



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