エムナマエのロゴ
原稿用紙プライベート盲導犬アリーナ日記
ギャラリー新着情報サイトマップホーム英語
 
  

■ どこかおかしい

◆ ご馳走はどこからくるかしら
 クリスマスやお正月、世界中がご馳走を食べている。マーケットは大売出し。買出しの行列はミリ刻みで歩いてる。けれども、海は大変だ。毎日、蟹や海老のお葬式。足のぞろぞろある連中が頭をたれて、収納自在の目玉に、涙をいっぱいためている。
 さてさて、日本全国同時多発的に大量消費される紅白の蒲鉾は全体どこからくるのだろう。クリスマスの大陸や半島や列島のあちらこちらで、どれだけのレグホンやコーチンや七面鳥が犠牲になるのだろう。いつの日か、海や山がからっぽになってしまう。
 日本では当たり前のようにクリスマスとお正月を平等に並べてパーフェクトに祝おうとする。ボクなんか、クリスマスにはローストチキンを軟骨まで噛み砕き、元旦にはズワイガニの半身をぺろりとたいらげる。おまけに、たまにとはいえイブのミサには参列し、初春ともなれば神社に初詣する。こういう不思議な当たり前は、どれだけ世界で当たり前となってるんだろう。やっぱり、当たり前ではないんだろうけど、ボクの中では当たり前のように神仏キリストは仲良く合体して輝いてるんだな。

◆ 貴重なマグロ
 寿司屋のカウンターで最初に注文するのが中トロ。あれ?なんか文句ありますか。え、はなから中トロは邪道だって。いいじゃん、好きなんだから。
 なんたって、寿司の王様はマグロですよ。それも、いい塩梅にとろりとした中トロ。このネタの具合で、その日の仕入れも想像がつく。
 なんてほど食通ではござんせんが、一時マグロの具合の悪かった時期がある。大陸の方でも鮮魚を食べるようになったとかで、日本の市場が買い負けている、てのが理由らしい。要するにマグロが高くなったのだ。結構じゃござんせんか。マグロは安くなくていい。マグロが皿に乗ってくるくる回りながら安売りされてる図なんて、考えたくもねえんでござんすよ。そうやっているうちに、うまいマグロがいなくなったら、世界中でマグロ戦争が勃発する。いや、戦争にならなくったって、世界中の寿司屋のカウンターからマグロが消滅して、代用品のアボガドが並ぶようになる、つうもんですぜ。いやさ、うまいマグロは一生懸命に働いて貯金して、記念日とか誕生日に清水の舞台から飛び降りる覚悟で食べるくらいがよいんでやんす。世の中では高いからうまい、という理屈が立派に通用するんでござんすぜ。

◆ やめろ大食い
 世界のどこかでは人の何倍も食べている人間たちがいて、世界のどこかには食べられない人たちがいる。手術で肉体の脂肪を除去する人、あまりのデブさで家から出られない人、食べ過ぎが原因で病気になる人。近い将来、食糧問題が確実になろうとしている現在、それでもまだ飽食を続ける馬鹿たちがいる。
 テレビに出て自分の大食いを自慢する馬鹿がいる。大食いだけが売り物のタレントがいる。大食いで話題になろうとする店がある。大食いなんて早くやめろ。大食いは体にも地球にもよいはずがない。
 食べ放題で客を集める店もある。食べ放題の食べ物がうまいはずがない。食材もよくないだろうが、食べる根性も悪いから、満腹になっても満足はしない。

◆ 贅沢はやめられないか
 一度知った贅沢はやめられない。便利な生活からは離れられない。人類の逆戻りは不可能、という前提で環境問題が語られる。本当だろうか。これらは経済優先社会の御用学者や便利コメンテイタの屁理屈だ。命よりお金が大切なやからの決まり文句だ。その気になってはいけない。
 どんなに贅沢をしたくたって、お金がなくてはどうにもならない。貧乏になればガマンするっきゃないじゃないか。そのうち地球の誰もが食い物貧乏になるのだから、贅沢もグルメもそろそろあきらめた方がいい。

◆ 石油が高い
 世界中の金余りが原因で石油の価格が上昇してる。どこかおかしい。金余りが人間を不幸にしているのだ。お金があれば、幸せ。誰もがそんな幻想を追ってあくせくしてるというのに。やっぱ、世界はどこかおかしい。
 石油が上昇すれば、食糧価格も上昇する。消費者も生産者も幸せにはならない。農業はハウス栽培の暖房費がかさみ、漁業では船の燃料費がかさむ。どんどん食べ物が高くなっていく。
 けれども、もしかしたらそれでいいのかもしれない。高性能の電気製品も高級車も、食糧より大切なはずがない。野菜も魚も高くてよいのかもしれない。そうすれば、もっと食べ物が大切にされ、失われた命の価値が尊ばれる。

◆ バイオ燃料
 石油価格の問題とは別に、バイオ燃料がブームである。おかげで小麦の価格も上昇した。だったらいいチャンスじゃないか。日本中の水田を復活させ、ばんばんお米を収穫するのだ。ブランド米なんかでなくていい。まずくていいから大量に収穫して、それをバイオエタノールに転換する。そして世界に販売すれば、日本も晴れてエネルギー輸出国となれるのだ。それで米が余ったら、国民で食べればいい。さあ、一挙両得。これで日本の食糧問題も、地球温暖化問題も解決するのだ。お金が余って不幸になる世界より、ずっと賢いやり方だと思うのだが、いかがなものだろうか。
2008/01/12




  Copyright © emunamae