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■ ときには宣伝逆効果

◆ ボクはテレビを見ないけど

 そりゃあ当たり前でしょうって。もちろん、ボクはテレビを見られない。でも、ボクにとっては聞くことも見ること。テレビだって、聞くのじゃあなく、見るのです。だって、テレビだもん。
 さて、我が家ではテレビを見なくなって、どれだけ月日が過ぎたのだろう。最近は自分もテレビに取り上げられることが少なくなって、それも見ない理由にはなっている。ボクの仕事場にテレビがないのも影響している。けれども、年に一度の恒例だった紅白歌合戦だって、ここ5年間は、ラジオからの御節料理をつつくBGMになってしまった。ドハデな衣装のサチコさんとかケンイチさんとかが出られるときにだけ、コボちゃんがテレビのある居住スペースに飛んでいって、その報告をするくらい。
「ああ、お金が勿体ない」
 昔の男性アイドルが出ても、コボちゃんはワープする。
「見なきゃよかった。ひろみちゃん、シワだらけ」
 いや、彼らが年寄りになったのではなく、カメラの性能がアップしたのだ。だって、我が家のテレビジョンセットはロービジョン。チデジになれば映らなくなる。だから、シワの目立つ理由はカメラの目がよくなったからなのだ。
 テレビを見ないと時間がふえる。家庭内の会話もふえる。けれど、そのうち時間だけは足りなくなる。だって、テレビを見る以上に大切なことが山ほどできてくるからだ。


◆ テレビもラジオもうるさいCM

 最近、夢中になってる原稿があるので、ラジオも消してることがある。でも、ホームページにも書いた通り、傾聴に値するプログラムは少なくない。
 NHKラジオでは、歌謡ドラマ、土曜の夜はケータイ短歌、ラジオ文芸館、日曜名作座。もちろん、眠れないときは、ボクがシンボルキャラクターをかいてるラジオ深夜便。
 民放ではTBSラジオ、ウィークデイのデイキャッチ、アクセス、ラジオブックス。土曜日朝の下村健一の目のツケドコロ。ときどきはバツラジもパカパカ行進曲も聴くことある。 人工透析のベッドでだけ、午後5時50分から6時半までTBSテレビのニュースを見る。あとはラジオに切り換えて、FM J-WAVEのトヨタ・ミックスマシーン。
 さて、ラジオでありがたいのはテレビほどCNがうるさくないこと。ことに、深夜になるほど、民放でもCMが少なくなる。まあ、これはスポンサーの判断だから、聴取率とも関係あると想うのだが、TBSラジオなど、かなりな率は確保してるはず。
 さて、CMは民放だけとは限らない。NHKだって手前味噌の番組案内をやるし、しきりにBSの宣伝もやらかす。受信料の支払い方法だって親切に教えてくれるし、春からの新編成への下地作りにも余念がない。
 民放ラジオの場合では、CMの入り具合で放送局の内情を空想して楽しむことができてしまう。つまり、商業的広告だったら、聴取率が高い。TBSラジオの人気朝番組、スタンバイなど、有名家電メーカーの松下さんが大黒柱となっている。でも、松下さんでなくって、パナウェーブ、じゃなかった、パナソニックになるんだよね、もうすぐ。TBSラジオでは、新聞社や出版社のスポンサーが目立つ気がするが、文化放送のヤルマンが終わってしまって、最近は民放ではTBSしか聴いてないから、この情報は不確かである。で、なんでTBSばかりかというと、電波がよいのだ。NHKよりずっといいのだ。おまけにステレオだから、音楽も美しい。


◆ 笑うCM

 テレビのCMだと、いくら面白くても不思議でも、ボクにはどこがスポンサーなんだか分からない。だって映像や文字が主役だから。けれども、ラジオのCMは笑わせてくれて、きちんと情報も伝わってくる。そもそもラジオはナガラで耳にしている人が大半。じっくり聴かせようとか、考えさせようてな企画は立てっこない。シンプルイズベスト、なのである。とはいえ、繰り返し耳にして飽きないことも要素のひとつ。だから二度と聞きたくない、というような不愉快な類(たぐい)は少ない。
 過去、ドリンク剤では傑作が多かった。トヨタ自動車の販売店も不思議な雰囲気のラジオCMをやっている。けれども、話芸ファンからいわせると、パクリも目立つ。特に、我々世代は誤魔化せない、80年代に流行したスネークマンショウのパクリが圧倒的。かなりなアイディアの湯元、いや、源泉になってます。
 そして、ラジオCMの主役は声優さん。ライターもさすがだが、あの文字原稿を生き物に変身させるのは間違いなく声優さんの技量。ボクも声優さんの知り合いが少なからずおられるので、あの方々のお働きが気になるのだ。反対の反対は賛成なのだ。本当の本当は本当だけど、嘘の嘘も本当なのだ。


◆ CMなんかしなきゃあいいのに

 今、ラジオでCMかけて、宣伝してるミュージカルがある。毎日理不尽に部屋に音が流される。おお、耳にしたくないよお。聞かされる度、
「逆効果だね」
夫婦で合言葉。
「あれが日本の誇る日本人?」
 世界大戦のとき、大勢のユダヤ人を救った日本の英雄がいる。誰でも知ってるニッポンジン。このストーリーが舞台になるのだ。歌作り名人、中島みゆき様が作詞作曲を担当されたらしいのだけれど、歌うのがKK。あの人の日本語、どうして不明瞭なんだろ。どうして息も絶え絶えの発声なんだろ。それなのに、どうしてミュージカルの主役なんだろ。やっぱ、プロダクションの力なんだろな。スネークマンは元気でも、あの人は80年代で終わっているんじゃなかろうか。ボクは彼については詳しくないけど、今回の企画は完全なるミスキャスト。ラジオからは、
「感動しました」
と若い女性がナレーションしてるけど、耳にする度、吐き気がする。夫婦揃ってげろげろいってる。何度聴いても、あのヘタクソ塩梅が信じられない。練習しても無駄なほど、ミュージカルのウチワ、じゃあなかった、センスに欠けている。代理店もコピーライターもナレーターもミキサーも、もちろん中島みゆき様も、みんなベストを尽くしておられると思うんだけど、あのKKの歌を流したのでは、いくら宣伝しても逆効果。そんな気がして仕方ないのだ。嘘の嘘は本当で、本当でないのだの本当でないのだは、本当なのだ。で、安心なのだの心配なのだは、とっても心配なのだ。ご招待チケット噴水みたいにばらまかないと、客席がふさがんないんじゃなかろうか。予算、回収できないんじゃなかろうか。そう、プロダクションの力だけでは解決できないこともあるよね。
 あああ、思いっきり、悪口いっちゃった。でも、許してちゃぶだい。だって、毎日耳を不愉快にさせられて、黙っていられなかったんだもん。ホントなんだもん。我が家では、ボクとコボちゃんだけでなく、ブラックラブラドールレトリバー・ショートレッグスのアルルも、トラネコ軍団のキロンもミミもナンナンも、みんな耳を水平にして、音波をカットしてるのだ。どうして、びたみん大使ABCみたいに胸が騒ぐ巧みな芝居公演の宣伝ができないんだろ。語りは背骨。やっぱり、メッセージを伝えるのは言葉。出鱈目発音のミュージカルは映像のないテレビCM、クリープを入れないコーヒー、アーモンド抜きのアーモンドチョコレート、永六舗のいない土曜ワイド、毒蝮のいない街角インタビュー、焼き豚忘れたチャーシューメン。早く、あのミュージカル公演、千秋楽にならないかなあ。CM、やめてくんないかなあ。見栄をはって、同じ主役で再演なんかやんないでよね。お願いだから、次は歌の歌える人にして。
2008/03/22


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