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■ 相互信頼の崩壊はテロより恐怖 2005/11/28

 阪神大震災以後、建築物の耐震基準が改善されてからのマンションは絶対に安全だと信じてきた。ところが、ある日突然これが嘘八百だと判明した。この日本のあらゆる場所に、震度5で倒壊するマンションやホテルが林立しているという。それも高層建築だ。これこそ地震国「日本」における最大の恐怖。テロも逃げ出す最強の危機である。
 最近の高層建築物は地震の揺れを、自ら揺れることによってそのエネルギーを逃がしてやる構造になっていると聞いたことがある。そうか。だから高層ビルはすぐに揺れるのだな。この夏、東京を襲った震度5の地震のとき、揺れに揺れて乗り物酔いになりそうになった友人が、不安の中で自らを安心させる呪文のように信じていたのが、この理屈であった。実際、高層ビルは地震エネルギーを巧妙に解放しながら、崩壊寸前のように揺れていた。いや、かのように思われた。だが、実際は本当に崩壊寸前だったのである。
 震度5の地震でも、東京の高層ビル群は倒壊を免れた。けれども、今回の耐震データ偽造発覚で、日本中の高層ビルへの信頼が瓦解したのだ。
 高層ビルやマンションで、自分を支えている床が紙細工だと気がついた瞬間、人々の未来はどうなるのだろう。先刻までと同じ気持ちで、その場所にいられるだろうか。その周辺に暮らす人々の気持ちも同じである。耐震構造と信じていたお隣の建物が、いつ崩壊するか分からない安普請であることが明らかになったのだ。明日からの安心は吹き飛んでしまった。
 これはテロだ。国民の安全と財産と信頼が一瞬にして崩壊する悪質なテロだ。テロと戦うと宣言する国家が日常生活で平然と見逃していたテロだ。この恐怖のテロを許すような社会構造が「日本」という先進国家に存在していたのだ。
 もうすぐ増税の季節がやってくる。政府は、この安普請国家「日本」のどこにこの増税分をばらまくつもりなのだろう。ここにナイスアイディアがあるから、是非とも採用して欲しい。それは刑務所の増築と看守の増員だ。今回の事件でも明らかになった通り、日本には想像以上に悪者が存在しているらしい。官にせよ、民にせよ、それら全員を確実に逮捕して、執行猶予など与えず、全員服役させてやるのだ。日本は腐っている。その大手術と治療に増税分の予算を回すべきである。
 どこを見ても、逮捕しなくてはならないやつだらけ。それらをぶちこんで、終身刑にしてあげよう。そう、易々と出所なんかさせてやるもんか。相互信頼の瓦解と社会不安の増大というテロ行為を見逃してはやらないぞ。

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