★ 展覧会 エム ナマエ個展2007『絵本作家宣言』
エム ナマエ個展2007 「絵本作家宣言」
日時 2007年6月11日(月)〜16日(土)
場所 〒101-0051 千代田区神田神保町1-17 檜画廊 TEL (03)3291-9364
◆ 2年ぶりの個展です
2005年夏、両脚切断のピンチから救われて2年ぶりの個展です。今、ボクは元気。絵本制作に熱中しています。昨年の仕事では、木村裕一氏との絵本「あしたのねこ」がありますが、これはボクの代表作ともなるであろう作品に仕上がりました。それから、天国の住人となってしまった絵門ゆう子さんと、絵本みたいにしようね、と約束したエッセイ集「ありがとう」もできました。驚きだったのが、目の見えていた時代の仕事、月刊絵本「ピカリング博士」が、四分の一世紀ぶりに新しい姿となって蘇り、皆様に見ていただけたことです。
今年の春は歌姫おおたか静流さんとのコラボレーションで『コロラップ』というユニークな絵本を仕上げました。また、世界文化社のおはなしワンダーで絵本『よわむしアルル』も出版されます。どちらも楽しい仕事でしたが、月刊絵本なので市販はされません。どうか、エム
ナマエの個展でご覧ください。
絵本ばかりではありません。5年ぶりにカレンダーを制作しております。また、34年の過去から絵童話「みつやくんのマークX」が復活いたします。「みつやくんのマークX」は昨年逝去された我が恩師、渡辺茂男先生と共に、空想世界で発明した夢の車です。そして、この作品がエム
ナマエの単行本デビューとなりました。
◆ 絵本作家宣言
全盲のボクが絵本作家を宣言する。さて、許されてよいものだろうか。ボクはずっと悩み、躊躇していました。
全盲の身の上で絵をかく。自らをイラストレータと称する。これは冒険でしょうか。それとも挑戦でしょうか。ボクは考えます。もしかして、これは宣言ではないのだろうかと。視覚障害者は何もできない。ほとんどの人がそう考えているようです。でも、それは事実ではありません。障害者はできないのではなく、できないとされているだけなのです。できる現実があっても、目を向けてもらえないだけなのです。ボクが自らを全盲のイラストレータと呼ぶのは、その作品を見ていただき、考えを変えていただきたいからなのです。
とはいえ、悩みはあります。長年、絵本作家として仕事をしてきたボクが、自分では見たことのない絵で絵本を制作してよいものだろうか。ですから、自分をイラストレータと称しても、絵本作家と定義することには大いに抵抗があったのです。
失明したボクがイラストレータとして復活して17年。これまで何冊も絵本をかかせていただきました。そして最近、やっと手応えを感じられるようになってきたのです。絵本「あしたのねこ」では木村裕一さんの絶対の信頼を得ることになりました。また、絵本『よわむしアルル』の制作では、家内のコボちゃんから拍手喝さいをもらいました。
「いけるかもしれない」
だから考えたのです。今年の個展のタイトルを『絵本作家宣言』にしたい。もしも許していただけるなら、これからエム ナマエは全盲の絵本作家を宣言いたします。これがエム
ナマエの2007年マニフェスト。ぜひ皆様にこの展覧会をご覧いただき、その承認をいただければ幸いです。 2007年、春 エム ナマエ
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