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原稿用紙プライベート盲導犬アリーナ日記
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■ 2008年の最初の十七文字です.

◆ 連絡がありました
「最近、ホームページの更新がないけれど、どうかしたの?具合でも悪いの?」
 こんな連絡がありました。実は1月18日から本日まで、とある原稿に取り掛かり、夢中になっているのです。毎朝パソコンに向かって原稿を書いていたら、すっかり他のことを忘れてしまっていたのでした。

◆ 記憶の結晶
 それはアリーナとの思い出。もうひとつの盲導犬物語。あるイヌの記録。掛け替えのない存在との記憶を結晶させ、ひとつの宝石にしていく作業。ボクはそれに夢中になっているのです。
 ノンフィクション童話「盲導犬アリーナ物語」はアリーナが現役のときに書いた作品でした。そして、アリーナが隣にいたときの作品でした。けれども、アリーナを失ったボクは、ずっとアリーナのことを書けずに苦悩していたのです。アリーナとの思い出を形にしたくって、ずっと苦悶していたのです。
 ところが、今年になって膨大な資料やメモの整理が終わった瞬間、目の前のブラックラブラドールレトリバー・ショートレッグスのアルルやネコドモのキロンやミミの毎日が、アリーナとの記憶と重なり、遠くなりかけていたイメージをリアルに浮かびあがらせてくれたのです。ひらめいた直後、ボクはキーボードを叩き出し、もう止まりません。これが、少しの間、ホームページがおろそかになっていた事情です。


◆ それでも書いてる十七文字
 俳句も川柳も勉強したこと、ありません。素養なんかも、もちろんありません。それでも飽きずに書いてるのはきっと強情だからでしょう。だから、ボクのはとてもヘタクソ。人様にご披露なんて恥ずかしくてできません。といいながら、堂々と掲載してしまうのがエム ナマエの馬鹿なとこ。
 では、恥の上塗り、赤面のいたり。といいつつ、ここに載せてしまうのです。
 これらは元旦から最近までの日記から選んだもの。解説もありますので、まあ、お暇潰しになれば幸甚であります。

▲ 正月は 山や海辺で お葬式
 お正月がくるたびに、地球がからっぽになるのではないかと心配になります。

▲ 昨年の 命に感謝 初詣
 この20年間、コボちゃんとずっと拝んでいる神社があります。世田谷の、とっても小さな神社です。ボクらは新年になると、そこで必ず昨年のお礼参りをするのです。

▲ 箱根まで 景色浮かべて 生中継
 毎年の箱根駅伝が楽しみです。

▲ ゲキカラは 口と肛門 二度辛い

▲ 汗かいて 体ぽかぽか カプサイシン
 デニーズのげきからタンタンメンにこっています。この年齢になって、やっとゲキカラの魅力が理解できるようになりました。

▲ 子どもらは 俳句名人 耳澄ます
 子ども電話相談室で永六舗さんが俳句教室をやってました。

▲ ラジオから いつもの声が 聞こえてる
 正月番組が終わると、ラジオにも日常が戻ってきます。

▲ 冬の日が 部屋の奥まで 注いでる

▲ ガラス戸の 形の日なた 猫 昼ね
 ボクのパソコン机はサンルームに面していて、天気がよいと、ネコたちがそこで昼寝をするのです。

▲ 新春の 一期一会の 寄席高座

▲ 初席は 名人上手の つまみ食い
 初席は芸人さんたちの顔見世です。その中には高齢のお師匠さんもいらして、いつまでもお元気でいてくださいと祈ります。

▲ ボールペン 滑る白紙に 絵の世界

▲ 思うまま 筆の先から 生まれ出る
 ひさびさに絵の仕事。たまっていた意欲の爆発でした。

▲ 情熱も しぼんでしまう 寒さかな
 昨年が暖かかったせいか、今年の寒さは身にしみます。

▲ 大寒を 覚悟していく 末広亭

▲ かじかんだ 手をもみながら 落語聴く
 またまた寄席にいきました。名人、柳家小三治師匠のとりでした。

▲ 雪降りの 予報に暖房 強くする
 聞いただけで寒くなります。

▲ ボクの目は 夢の中では よい目です

▲ またきたよ 夢の中での この場所に
 夢を見るにはコツがあります。熟睡してはいけません。うとうと昼寝なんか、楽しい夢見のチャンスです。

▲ 窓を開け 外の白さを 浮かべ見る

▲ 窓の露 ガラス隔てる 雪世界
 今年は雪が多いと思っていましたが、これが例年だそうです。つまり、昨年の積雪ゼロが珍しかった、ということなんです。

▲ 寒いけど 負けちゃおられぬ 金欠病
 年末年始は出費だらけ。懐は寒いけど、寒さに負けてはおられません。

▲ 寒いねと 話す言葉が 凍えてる

▲ カーテンを 開けば冷気 濡れガラス
 寒いと散歩する気にもなりません。

▲ 斜陽浴び またぐ線路は 世田谷線

▲ 鳴き交わし カラス飛び立つ 冬木立
 それでも、天気がよければ外出します。

▲ 愛犬に 枕を譲る 冬の朝
 アリーナは盲導犬だったからベッドには立ち入り禁止。アルルは気楽なもんです。それでも、アルルはいつも留守番。主人とどこへでもいけるのは盲導犬の特権なのです。

▲ 妻のさす 傘に霙の 落ちる音

▲ 妻の肩 つかまり歩き 二十年
 コボちゃんの健康こそ大黒柱です。

▲ 冬の風呂 背中にぽとり 一滴

▲ 家中を 香りで満たす 偽温泉

▲ 入浴の 友はラジオと 見つけたり
 やっぱりシャワーは夏のものですね。

▲ トラネコと 床の日当たり 奪い合い
 ウチにはトラネコが三匹います。

■ 文字たちが 飛んで跳ねてる 夢の中 
 執筆に夢中になると、よくこういう夢が現れます。

▲ 春よこい 厚着肩凝り もう飽きた
 立春はきたけれど。

▲ 濡れガラス 瞼の裏の 雪化粧

▲ 積雪の 都会を走る 救急車

▲ 黒犬が 滑って転んで 銀世界

▲ 陽光の 雪かきの道 散歩する

▲ クロイヌが 白いダルマと にらめっこ

▲ ユキダルマ お日様見上げ 縮みいく

▲ 粉雪が 相合傘を 鳴らしてる

▲ 傘に落ち 地面で溶ける 粉の雪
 雑俳という落語がありますが、雪はやっぱり句になりますね。

▲ 地下室で 座り続けて 大笑い

▲ 紙切りの 相合傘を 持ち帰る
 地下シェルターみたいな池袋演芸場は寄席の穴場です。

▲ 朝寝坊 春はまだかと つくしんぼう
 立川談志師匠を真似たイリュージョン俳句です。

▲ 年老いて 燃え盛ります 我が師匠
 ボクのお師匠、やなせたかし89歳の誕生パーティーにいってきました。

▲ 脇の下 ネコ丸くなり 朝がくる

▲ 今日もまた いちばん寒いと ラジオいう

▲ 春よこい 早くこいこい 春よこい
 停電になったら、ネコが暖房器具になってくれるでしょう。

▲ 本年も ナマチョコの味 舌の先

▲ ギリチョコと わかっているけど 顔ゆるむ
 まだチョコレートがもらえます。

▲ 北風と 押し競饅頭 日の光
 ずいぶん日が長くなりました。

▲ ネコと見る 不思議体験 昼の夢
 未明から起きて仕事ですから、どうしても昼寝になります。

▲ 盲目に 圧力かける 肥満力
 電車の座席に座っていたら、いきなり猛烈な圧力を感じたのです。おそらく、ご当人はご自分のおしりの大きさを客観的に測定できないでおられるのでしょう。

2008/02/21





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