エムナマエのロゴ
原稿用紙盲導犬アリーナ日記
ギャラリー新着情報サイトマップホーム英語
 
  


★ 教会で子どもたちにお話を許されました。 2006.04.14

 ボクはクリスチャンであることを許されていないのにも関わらず、ときどき教会でお話を許されることがあります。先月も経堂北教会で、日曜の朝に、子どもたちにお話することを許されました。
 1990年、ボクとコボちゃんは、この経堂北教会で結婚を許されました。キリスト教について学ぶことも許されました。けれども、いろいろな理由や口実で、不義理ばかりをしています。20世紀最後のクリスマス礼拝を許されただけで、最近は礼拝にも参加していません。
 なのに教会の皆様はいつでも温かくボクらを迎え、そして愛してくださるのです。
 先月もボクらは経堂北教会に迎えられました。そして、子どもたちにお話させていただいたのです。
 それは以下のような内容の話でした。3歳から高齢者まで、いろいろな方々にお話をしなければならず、難しい役目ではありましたが、自分に許される範囲で勤めたつもりです。
 振り返ってみて、自分がこのホームページでいつも語りたいと思っている事柄を、まあまあ要領よく表現できているので、ここに紹介させていただきます。
 もしもつまらなかったら、ごめんなさい。

◆ 経堂北教会、日曜学校でのお話・エム ナマエ・060312・
■神様の贈り物
おはようございます。
みなさんにお会いできて、今日はとてもよい日です。
ボクはエム ナマエといいます。
もちろんペンネームで、別に本当の名前があります。
けれども、本当の名前もナマエです。
すいません。
それから、、ボクは目が見えません。
けれどもイラストレーターです。
絵本をかいています。
この絵本を見てください。
こんな絵です。
どうやってかくか、不思議でしょう。
では、今からこの黒板に白墨で絵をかきますね。
ほうら、かけてますか。
もしも、ボクの目がちょっとでも見えるのではないかと疑っている人がいたら、
いつでもボクの目を見せてあげます。
そしたら、すぐにわかるでしょう。
本当にボクの目が見えないということを。
さて、これからが今朝のボクの話です。
それは、こんな話です。
みなさん。
ボクたちの中で燃えている命の正体、
それが太陽からの光と熱だということ、考えたこと、ありますか。
植物も動物も太陽によって生かされています。
石油や石炭から出てくる光や熱も、昔の太陽の光と熱だったものです。
では、太陽の光と熱はどこからきたのでしょうか。
ものすごい大昔、それも130億年以前、
ボクらの暮らしているような世界は存在しませんでした。
広さも高さも時間もありません。
さあ、それはどんな世界なのでしょう。
よくわかりませんね。
ところが、その何もないところに、いきなり強い光が現れたのです。
それは、どうやら猛烈な光だったらしいのです。
光しかないくらいとてつもなく強くて、とてつもなく熱いのでした。
だから何もない場所を強い光の力で、ぐいぐい広げていったのでしょう。
こうして何もない世界に時間と空間が広がっていきました。
これをビッグバン、「宇宙の始まり」といいます。
「宇宙」という、時間と空間を一緒にする考え方は、大昔の中国で生まれました。
さて、光はすぐに冷えて物質となりました。
その証拠に、物質をばらばらに破壊すると、強い光と熱が解放されるのです。
その理屈で発明されたのが原子爆弾でした。
さて、光は冷えて最初の物質となりました。
それら小さなつぶつぶ、素粒子が集まって原子になりました。
最初の原子は水素だといわれています。
広い宇宙でも、ひとつひとつの水素たちは引力で引かれ合い、出会います。
そして、いくら小さな水素たちでも、ものすごく沢山集まれば、強い重力が生まれます。
その重力で水素が壊れて、また光と熱に戻ります。
そうして輝いているのが夜空の星たちや、ボクらの太陽なのです。
無数の太陽のような星が集まって銀河となります。
この宇宙には、そうした銀河がまたまた無数にあるといわれているのです。
さて、星の中でバラバラになった原子は、また新しい別の原子を作り、
さらにバラバラになり、次々と新しい物質を作っていきました。
こういうのを物質の進化といいます。
やがてそれらの物質は地球や生き物の材料となっていきました。
生き物は地球の上で変化していきます。
最初の生命体から分かれて、植物や動物というように、
いろいろな生物に進化していったのです。
だから生き物たちは、みんな親戚なのです。
そうやって、やがてボクら人間も生まれてきました。
この宇宙や地球がボクら人間や鳥や獣、草や花を誕生させてくれたのです。
では、誰が宇宙を作ったのでしょうか。
大昔から人間はそのことを考えてきました。
そうして哲学や科学が生まれたのです。
やがて科学技術も発展しました。
社会や暮らしがどんどん便利になっていきます。
けれども、いくら科学が発達しても、どうしてもわからないことがあるのです。
宇宙はどうして生まれたのでしょう。
命はどうして生まれたのでしょう。
大昔から科学は宇宙の秘密をさぐってきました。
けれども、いくら調べても、いくら科学が進歩しても、わからないことばかり。
やっぱり「神様」がいて、この宇宙を作ったとしか考えられない事柄があるのです。
人間は遺伝子を操作して、新しい種類の植物や動物を作ります。
けれども人間が何もないところから命を作ったことはありません。
おそらく未来永劫、それは不可能です。
ボクらはなんで生きているのか。
なんで生まれてきたのか。
それは誰も知りません。
誰にもわかりません。
けれども、宇宙があって、太陽があって、地球があって、親がいて、友達がいて、
先生がいて、社会があって、ボクらは生きています。
いや、生かされています。
生きることを許されています。
どうしてでしょう。
いくら考えてもわかりません。
さて、話は変わります。
ボクはある日突然、目が見えなくなりました。
画家のボクの目が見えなくなるのです。
これはつらい。
ボクは考えました。
こんなにつらく苦しいことがあるのなら、ボクなんか生まれてこなければよかったと。
いつか、ボクは自分を創った誰かに語りかけていました。
神様よ、本当にいるのなら、ボクに答えをくれ。
そうやって一晩中泣いて考えていたら、夜明けがきたのです。
日の出と同時に、ボクは金色の光に包まれていました。
瞬間にして、ボクも、隣に寝ている犬や猫も、庭の草花も小石も、
みんな神様に等しく愛されていることが、心の底からわかったのです。
神様が答えをくれました。
この小さなボクに、本当の神様が大切なことを教えてくださったのです。
あれから20年が過ぎました。
けれども、今でもボクはその瞬間を忘れません。
ボクは神様を信じています。
この教会でも、神様のことをいろいろと教えていただきました。
ボクは神様に愛されていることを知っていますし、信じていますから、
牧師先生の言葉も、聖書の言葉も、みんな素直に聞くことができます。
そして、神様が自分を愛してくださっていることを感じていられるから、
どんな運命も、苦労や苦心も感謝して受けることができます。
神様がくださる友達や先生だから、みんな大切にできます。
今日、この出会いも、神様がくださいました。
ボクと奥さんも神様が出会わせてくれました。
ボクと奥さんは、この教会で結婚を許されたのです。
以前、ボクの奥さんのお父さんが亡くなりました。
ボクは泣きました。
神様が宇宙を作り、太陽や地球を作り、生き物を生み、人間を誕生させ、
そして、奥さんのおじいさんおばあさんを生み、奥さんのお父さんお母さんを生み、
やがて奥さんがうまれました。
だから、ボクは奥さんと出会うことができたのです。
それから一緒に暮らしました。
目の見えないボクが新しい仕事をすることができるようになったのも、そのおかげです。
もしも、そのお父さんがいなければ、ボクは奥さんに会うこともできず、
今の幸せもありませんでした。
ボクがお父さんに感謝して拝んだら、涙がとまらなくなりました。
そうして、誰でもがみんな神様だとしらされたのです。
ボクらは神様が生んでくださった神様の子どもたち。
だから、いただいたこの命と人生を一生懸命生きていこうと思います。
たとえ、目が見えなくとも、精一杯生きていけば、絵だってかけます。
つらいことがあっても、生まれたことに感謝できれば、明るい暮らしもできます。
信じること、感謝すること。
それができたなら、きっとボクらは幸せに生きていけるのです。
今日はみんなに会えて、とってもよかった。
ありがとうございました。
エム ナマエ

  Copyright © emunamae