エムナマエのロゴ
原稿用紙盲導犬アリーナ日記
ギャラリー新着情報サイトマップホーム英語
 
  


★ いってきました 永島慎二遺作展
 2006.06.08

◆ 6月10日は先生のご命日
 昨年の夏、ボクは車椅子で街を移動していた。閉塞性動脈硬化症。両足切断の恐怖に脅えながらの暮らしである。そのボクに悲報が届く。永島慎二先生逝去。6月10日がその日だった。
 既に通夜も告別式も終わっていた。ご遺族は公表されなかったのである。けれどもマスコミに秘密は通じない。やがて知らせは巷間に流れた。そのさざ波がボクの耳にも届いたのである。
 悲しみの衝動が胸を貫く。けれども、ボクは両足の血行再建手術のため、翌日には北海道は旭川医科大学付属病院に飛ばなければならぬ身の上であったのだ。
◆ あれから1年
 あれから1年。そしてボクの手元に1枚の招待状が届いた。
 中央線阿佐ヶ谷駅南口から歩いてすぐ。ショッピング街、パールセンターに入って中ほどに、その婦人装飾雑貨の店「スミレ」があった。そして、ボクの目指すは店の奥にある小さな喫茶店「COBU」。
 今日は永島慎二遺作展の初日。そのせいか、店は満席らしく、経営者と思われる上品なご婦人が申し訳なさそうに応対してくださった。
「待ちます」
 すると、そのご婦人はボクをご存知の様子。なんと、以前、たった一度だけ店を訪れたことのあるボクを覚えていてくださったのだ。今は遠くなったその日も、店は永島慎二作品展。そして先生はお元気だった。
◆ すべての作品は油彩
 壁には小さな作品群。すべて油彩である。コーヒーの注文を終えた家内のコボちゃんが店内を移動する。
 テーブルに戻ると家内がボクに告げる。大半のモチーフがピエロ。それは先生が最も好んだテーマであった。反射的にそれらの絵がボクの脳裏に浮かぶ。その色彩が閃く。もちろんボクの勝手な空想に過ぎない。けれど、永島慎二の絵画世界にボクは住んでいたことがあるのだ。決して間違った空想などしないのである。
◆ 遺作展は6月20日まで
 作品は購入可能である。ボクも欲しい。けれども、遠慮した。盲目のボクが先生の貴重な作品を所蔵するより、もっとふさわしい方が身近に飾って鑑賞すべきなのだ。
 展覧会は20日まで。店内には先生の写真アルバムが置かれ、自由に見せていただける。ファンにとっては懐かしく、また貴重な映像の宝石箱となるだろう。
 以下に、手元の招待状にある通りの表記で情報をお伝えしたい。アドレスも電話番号も記載はなかった。だから、ここは熱意のある人しかたどり着けない場所なのかもしれない。2006.06.08

   ■ 永島慎二 遺作展 油彩
         2006年06月08日〜20日
         会場 中央線阿佐ヶ谷駅南口すぐ
         パールセンター 婦人装飾雑貨の店「スミレ奥」 小さな喫茶店「COBU」

 

  Copyright © emunamae