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【その6】  1998年 某月某日

 アタシ、またまたペンション絵夢にいってきたの。今年最後の雪遊びね。まだまだ雪はあったわよ。道路は乾いていたけれど。で、ペンションの庭で遊んだり、五色沼のハイキングコースを一時間も散歩したり。コボちゃんはアタシが雪道をガッシガッシと歩いたなんていうのよ。失礼しちゃうわ。アタシは熊じゃなくて、れっきとしたレディーだっていうのに。
 クロスカントリーのスキーって知ってるかな。アタシは初めて見た。まるでスキーのジョギングね。歩くみたいにスキーで滑って。アタシもやってみようかな。クロスカントリーのおじさんとか子供たちとか、アタシを見て挨拶していったわよ。みんな楽しそうにやってたわ。
 アタシ、この間の雪遊びで筋肉痛を経験したでしょ。だから今度は慎重に歩いたの。それでも吹き溜まりにズボッなんて落ちたりしちゃった。でも、雪もそれほどひどくはないから、アタシは平気。スイスイと吹き溜まりから抜け出して、それで固い雪を選んで歩いたの。あ、もっといいことあったわ。春の雪国って素敵なのよ。どこまでも雪が凍結して、固くなっててね、それでどこまでも歩けるの。薮や水溜まりも関係なくね。雪のカーペットみたい。コボちゃんがどこまでも付き合ってくれて、楽しい雪散歩だった。そう、雪じゃなくて雲の上の散歩みたいね。
 ペンションに帰ったら、お腹がペコペコ。御飯、おいしかったわ。それから人間のディナー。ダイニングルームでお利口にしていたら、お客さんに感心されちゃった。でも、アタシは盲導犬。当たり前よね。さ、また早く来年にならないかな。そしたらまたまたペンションに雪遊びにいくんだ。楽しみだわあ。


この絵本の売り上げの一部は全国の七つの盲導犬教会で盲導犬育成に使用されます。


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